NPO法人日本独立作家同盟の電子雑誌『月刊群雛』に、作家と編集両方の立場から関わることになった波野發作(なみの・はっさく)氏が、『月刊群雛』への参加方法について優しくかみ砕いたガイドを寄稿してくれました。短期集中連載第6回は、「群雛に参加しよう(1)」です。
第5章 群雛に参加しよう(1)
募集は早い者勝ち。タイミングは編集長次第。油断するな
作品が整ったのなら、いよいよ群雛作家として名乗りをあげるときがきたというわけだ。
が、話はそう簡単ではない。あなたはようやくスタートラインどころか競技場の最寄りのバス停に降り立っただけだ。もうひと頑張りしないと、群雛に加わることはできない。
『月刊群雛』は厳格な「早い者勝ちルール」という掟がある。いかにあなたが上手い小説を書こうと、文壇の大御所だろうと、このルールからは逃れられない。運よく編集長による募集開始の宣言のときに、Google+のコミュニティを見ていられるかで結果が決まる。まあ常駐してればいいっちゃいいけど、普段あまり動きがないからじっと見てるのも辛いな。
そのためにさらに何かできることがあるとすれば、通知をメールやスマホのプッシュ通知で受け取れるようにしておくことぐらいだろうか。群雛ポータルで詳しく説明してくれているので、設定しておこう。
『月刊群雛』の募集は「その号の発売日から4週間前くらい」とだけ決められている。そして『月刊群雛』の発売日は「毎月最終週の火曜日を、BCCKSでの発売日」である。つまり、火曜日が4つの月は前月の最終火曜日に募集が行われる可能性が高い。火曜日が5つあるのであれば、その月の最初の火曜日だ。しかし、火曜日とは限らない。『月刊群雛』の参加募集は、編集長が宣言して、呼応した作家が次々名乗りを上げていくので、編集長はその場ですぐに対応する必要がある。少なくとも数時間はオンラインでいられるタイミングでなければならないという事情があると類推できる(※)。つまり、編集長になんらかの都合や予定がある場合、火曜日ではないということになる。実際、2015年10月号の募集は、原則に従えば9月1日のはずだが、実際には8月31日に行われている。なぜ前倒しになったのかのアナウンスはされていないが、おそらくその翌日には飲み会か、あるいはデートなどの不可避な予定があったと思われる。しかし、これは問題がない。なぜなら「4週間前くらい」としか決まっていないのだから、もともと2、3日の振れ幅はあるのだ。なので、とりあえず募集のありそうな週はいつ募集が開始されてもいいように待っておこう。
次に問題なのは、じゃあ何時に募集なのか、である。これはまったく規定がない。とりあえず過去の実績を見てみよう。
2015年
10月号 8月31日(月) 19時44分
09月号 7月29日(水) 18時26分
08月号 6月24日(水) 22時02分
07月号 5月29日(金) 18時02分
06月号 4月21日(火) 21時48分 #次週がGW直前だから? 本来はさらに前日
何時開始かを調べたのだけなのに日付もだいぶバラツキがあることがわかってしまった。
まあ、その週ってことだね。とりあえずスマホなどで受信できるようにしておき、いつでも対応できるようにしておこうってことだ。上司の説教を受けてたり留置場にいたりって場合はもうあきらめて次のチャンスを待とう。
傾向としては、募集開始は夕方だ。だいたいは夜の時間だが、18時過ぎにいきなりはじまることもあるから油断はできない。なかなかエキサイティングなイベントじゃないか。
つまり『月刊群雛』の募集は、
- その号の発売日の4週間前の同じ曜日あるいはその週の月曜日から金曜日、もしくは前の週。
- 18時から23時までの間
にはじまるということだ。事前予告は一切ない。気合いを入れていこう。
ちなみに編集スタッフもいつ募集が開始されるかは知らない。ていうか編集長に聞いても教えてくれないだろうから(※)聞いたことがない。そういう平等性はきっちりしているんだぜ。
締め切りを確認し、原稿を用意しよう
というわけで、これであなたは運よく次号の『月刊群雛』に掲載できることになった。おめでとう!
コミュニティのこの号のスレッドにはあらかじめ制作スケジュールが示されているから確認しておこう。原稿を送るまでに2週間ほどの猶予がある。もちろんこの時点で原稿が完璧ならばすぐに送っても構わない。しかし、慌てることはない。じっくり見直してからでも遅くはないのだ。
ちなみに入稿締め切りの「19時」が最終締め切りだ。遅くとも前日には送るようにしておきたい。締め切りをオーバーした場合、掲載されない。
入稿時に必要なものは、
- 原稿(そりゃそうだ)
- インタビュー原稿
- プロフィール画像(写真・イラストなど。著作権的にヤバいのはNG。グレーもダメよ)
の3点だ。
そして、再入稿は厳禁だ。なぜか。最初から見直しになるので、もともと余裕のない編集長やスタッフの時間を確実に奪うからだ。1日は平等に24時間しかない。それを無邪気に奪っていいはずがない。
再入稿しないためにも、参加表明後の2週間で完璧なものに仕上げて、胸をはって送り出して欲しい。校正も少なければ、その分編集の負担もぐっと下がるのだから。
以上の「締め切り厳守」と「再入稿厳禁」。この2つだけは絶対に守ろう。
むしろそれ以外にとくにルールはない。
『月刊群雛』には一応スリーアウト制度がある。人間は完璧ではないのでミスはある。そこは許容される。しかし、改善のない人間は退場していただくしかない。なので、同じミスを3回繰り返した場合、参加をご遠慮いただくこともあると決まっている。ミスのリカバリーにも時間はかかるし、苦言を呈するのも労を要するからだ。それはお互いに不幸でしかない。だからぼくはこの連載を書いている。耳の痛い話かもしれないし、なんだか窮屈に思えてしまうかもしれない。しかし、お互いに自分がどういうことをすると、どう困るのか少しだけ想像力を働かせて、なるべく困らないようにしてあげるだけのことだ。物語をクリエートしているあなたなら、そのぐらいの想像力は持ち合わせているはずだ。
〈続く〉
【目次】
- はじめに
- 第1章 インディーズやろうぜ
- 第2章 群雛を読もう
- 第3章 日本独立作家同盟に参加しよう
- 第4章 群雛用の作品を用意しよう(1)
- 第4章 群雛用の作品を用意しよう(2)
- 第5章 群雛に参加しよう(1) ← いまここ
- 第5章 群雛に参加しよう(2)
- 第6章 群雛を作ろう
- 第7章 群雛を売ろう
- 第8章 群雛を続けよう
新レーベル『群雛文庫』本日創刊。ぼくも群雛の先輩方に混ぜていただけました。ドタバタ系SFシリーズ『オルガニゼイション』第1巻です。200円+税のお手頃価格です。ヒロイン・ジェシカをソメイヨシノさんにヴィジュアル化していただきました。
https://t.co/CzMt2kgu0s
— 波野發作@毎日イチ読13番め受付中 (@fuliefool) 2015, 11月 4