『月刊群雛』2015年11月号には、神楽坂らせんさんの小説『あいぽっど・とーく』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。
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作品概要
キャッチコピーに偽りあり。かも? 最初はキャッチの通り、衛星軌道からの脱出ポッドに閉じ込められた少年を救うサスペンスドラマ! を書いていたつもりが、気がつけばこんなふうになってしまいました。ガジェットネタから成層圏ネタまでいろいろつめこんだエンターテイメント。もちろん現実世界とは一切関係ありませんのでご注意ください。
あいぽっど・とーく
んぶっ、んぶっ、んぶっ。
手首にまいた腕時計型デバイスの小刻みな振動。
幕の内弁当と麦茶を手に、やたらと混みあっているテラス席を避け、搬入路脇に設置された業者向けの折りたたみテーブル席をゲットして一息ついていた佐々木雄介は、やれやれと舌打ちしつつ手首に視線を送る。
自慢のガジェットの小さな液晶画面には社用内線番号と、我が社のアイドルで部長秘書の飯野マコさんのアイコンが点滅していた。緊急メッセージありの表示。
「佐々木さん、すみませんがすぐブースへ戻ってくださいませんか? 実は、弟がちょっといたずらをしてしまって……」
マコさんからの依頼なら何はさておき駆けつけなくては。と立ち上がりかけるが、少々足が重い雄介であった。
ここは国内最大級の衛星軌道ビジネス全般を扱う展示会。オービタルエキスポ。
超々高利得アンテナやら通信衛星メッシュシステム等の通信系はもちろん、軌道遷移用スラスター、アクティブ冷却ノズル、巨大な固定燃料ロケットに液体燃料ロケット・エンジン、さらには大規模な制御・管制システムなどなど、小さなものから大きなものまで盛りだくさんの会場で、唯一の有人エマージェンシーカプセル、ようするに非常用の脱出装置を出展しているのが雄介の会社、サイバーオービット社だ。
社運をかけたプロジェクトの成果として、ようやく完成したインテリジェントタイプの脱出ポッドを今回展示している。
徹夜続きだった開発のあげくに、こんなところにまで引っ張りだされて、慣れない接客業で早朝から振り回され、ようやく開放された昼休みにこれだ。働かせ過ぎなんじゃないのかこの会社。なんて愚痴もでようものである。
「マコさんはいいんだがなあ」
溜息をつきながら、連れの生意気そうな小僧の顔を思い出す。
部長秘書のマコさんの弟ということで、ブースでも特別待遇されていたっけ。
スタッフパスを貰っても、少しも嬉しそうにせず、持ち込んだゲーム機で遊んでいた。
俺なら子供の頃にこんなところに連れて来られたら狂喜乱舞してほうぼうのブースを駆けまわるだろうに。
で、その小僧がいたずらをしただと? 一体何をしでかしたんだ……。
※サンプルはここまでです。
神楽坂らせんさんインタビュー
―― まず簡単に自己紹介をお願いします
名前:神楽坂らせん / (ふりがな)かぐらざか・らせん
https://plus.google.com/105106999084079383977/
自画像は仲良しのGoogle+ユーザ、樫津りんご(かしづ・りんご)さんに描いてもらいました。
Google+の『本が好き』コミュニティの管理人をしています。同コミュニティの紹介文を集めてKindleストアで販売していますほか、『月刊群雛』生まれの『ファンタジー世界構築のための質問リスト〈完全版〉』も好評発売中!
同じく、『月刊群雛』での私のデビュー作、『マトリョシカ』
http://maddoc8823.tumblr.com/
も大好評! なんとKindleストアの無料ランキング全ジャンルトップに輝きました。
さらに、本号の発売数日後に創刊予定の群雛文庫にも収録していただけることに! わーい☆
その他、気がつけばいろいろ出しているので、ランディングページを作ってみました。
http://rasenworks.tumblr.com/
最新情報はこちらに載せていこうとおもいますので、よろしくお願い致します。
―― この作品を制作したきっかけを教えてください
先々月号の『月刊群雛』に掲載された『あいどる・とーく』の時に、「ポッド」を「ボット」に間違え、さらに「ポット」に間違えるというダブルうっかりミスが発覚したことがきっかけです。これはいかんとおもいながら、あえてまたわかりにくい「ポッド」のお話を書いてみました。そういえば『マトリョシカ』も「ボット」のお話だったし。今度は間違えてないかなー? 大丈夫かしらねー?
―― この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
しいてあげるなら漫画家の「あさりよしとお」先生かな?
―― この作品のターゲットはどんな人ですか
成層圏野郎どもに。
―― この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
原型はほぼ1日。それを一週間ぐらいでリファインしています。
―― 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか
主にGoogle+で宣伝しています。
―― 作品を制作する上で困っていることは何ですか
やっぱり時間ですねー。やりたいことや、やってみたいことはいっぱいあるんですけどねー。
―― 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
いま、佐藤 青南(さとう・せいなん)先生の『消防女子』シリーズにハマっています。かっこいい、命がけの仕事を戦う女性の成長物語。私の萌え要素がすべて詰まっているかんじで、こんなの書いてみたいですねー!(って言いながらこれかよ、なんてツッコミは無しの方向でおねがいします)
―― 今後の活動予定や目標を教えてください
これまた『月刊群雛』生まれの『ふたりのブルベ』を中編へリファイン中です。この号が出るぐらいには電子出版できているんじゃないかな。できているといいな~。
―― 最後に、読者へ向けて一言お願いします
あい(なんとか)・とーくシリーズ第二弾! タイトルまでわかりにくくってすみません。
神楽坂らせんさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2015年11月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。
インディーズ作家よ、集え!
NPO法人日本独立作家同盟は、文筆や漫画など自らの作品をセルフパブリッシング(自己出版)している方々の活動を応援する団体です。コミュニティ運営、雑誌『月刊群雛』の発行、セミナーの運営などを行っています。
http://t.co/fGhoghLQ0R
— NPO法人日本独立作家同盟 (@aia_jp) 2015, 8月 20