SF作家と元SF雑誌編集長が「AIと小説」をテーマに縦横無尽に語ります。2018年1月27日開催の日本独立作家同盟セミナー「AIが書いた小説は面白い?」講演録です!
AIが書いた小説は面白い?
古くは「電子頭脳」と呼ばれ、これまで多くの小説や漫画、映像作品の中に登場してきたAI(人工知能)。今やスマートフォンや家電、ネットなど、さまざまなところで我々の生活の中に入り込んできています。2015年、AI小説家が書いた作品が、ある作家賞の一次審査を突破し話題になりました。近い将来、作家の仕事はAIに取って代わられるのでしょうか? また、AIに「面白い小説」や「ヒットする小説」を書かせることは可能なのでしょうか?
《 目次 》
第1部 SFのなかのAI
計算機と電子頭脳、陽電子頭脳、そして人工知能/SF作家はコンピュータを知らなかった/人間が意識しているようには、機械は仕事をしていない/SFにおけるロボットの「頭脳」と「身体」/人間も鳩も同じ行動をする?「スキナー箱の実験」/神話、迷信、宗教、戯曲、そして小説へ/小説に「型」はあるのか/ニューロマンサーとGene Mapper〈時代で変わる舞台装置〉/古典SFに見るAI(意識)の萌芽/脳と全身体的意識
第2部 AI作家に限界はあるのか?
『第二内戦』におけるAI/最新型ロボットより対話型プログラムに感じる「AIっぽさ」/AIかプログラムか人間かの線引き問題/自分で組んだプログラムの動きが読めない時代/日本語IMEというブラックボックス/機械に小説を書かせるのはかわいそう?/AIのモチベーションは読まれた回数?/ディープラーニングでは、AIの小説執筆能力は高まらない/AIが書く小説は自動書記かシュールレアリスムか/シミュレーションによる小説創作はAIにできるか/選択肢を刈り込む能力/人間にはないAIの「愚鈍さ」
《 著者情報 》
今岡清(いまおか・きよし)
1948年横浜市生まれ。『S-Fマガジン』(早川書房)の元編集長。編集者として星新一、小松左京、筒井康隆らの作家の作品を手掛け、また神林長平、大原まり子らの新人を育てる。作家の栗本薫は妻。栗本薫の遺作『グイン・サーガ』の続編プロジェクト監修者。天狼プロダクション代表取締役。ジャズシンガー。
藤井太洋(ふじい・たいよう)
1971年鹿児島県奄美大島生まれ。小説家、SF作家。国際基督教大学中退。第18代日本SF作家クラブ会長。同クラブの社団法人化を牽引、SF振興に役立つ事業の実現に燃える。処女作『Gene Mapper』をセルフパブリッシングし、注目を集める。その後、早川書房より代表作『Gene Mapper -full build-』『 オービタル・クラウド』(日本SF大賞受賞)等を出版。
《 セミナー開催時のレポート 》
藤井太洋×今岡清「AIが書いた小説は面白い?」開催報告
AIが書いた小説は面白いのか? SF作家とSFマガジン元編集長が語る「AI作家」の限界 |ビジネス+IT