『月刊群雛』2016年06月号には、にぽっくめいきんぐさんの小説『フィエロ王国戦記』後編が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。
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作品概要
魔物があらわれた! どうする?
誰を使う? どれを使う? どう使う?
勇者とは。
剣とは。
盾とは。
魔法とは。
王国とは。
そして、3Dプリンターとは。
ライトノベルに登場する、これら頻出オブジェクトの「本質」を問う。
あと、粉の使い方も問う。(NEW!)
……有識者に。
―― 3Dプリンター活用法!
フィエロ王国戦記 後編
前回のあらすじ
どうも、私です。フィエロ王国の王です。この世界に、突如魔物が発生し、各国が大混乱に陥っているらしい。同盟国からの伝聞だけど。有識者さん達に中期的対応を検討してもらう一方、短期的対応も必要じゃない? なので、国中から勇者を募った。招集に応じて城にやってきたイケメン勇者が、やたら頭が回って困るんだが。その割には、語学力が「ほこらはどちらですか?」とか「これは剣ですか? いいえ、宝珠です」程度しか使えない状態。筆談でどうぞ!
イケメン勇者の仲間である、モーゼス老が、古文書から、伝説の3Dプリンターを開発した。この3Dプリンターで盾と剣を作って、近衛団とイケメン勇者一行とに配備させた。当然ながら、盾はぶっ叩くための武器であり、剣はいなすための防具なんだけど、攻撃用の盾に対して、別室でモーゼス老が炎の魔法をかけたら、なんと「熱くて持てない」ことが発覚。モーゼス! ちゃんとやって! じゃあ次は、熱くても持てるように、熱伝導率の低い篭手も、伝説の3Dプリンターで作ろうぜ! ってなったんだけど……。
主な登場人物およびオブジェクト
私 フィエロ王国の王。
イケメン勇者 前記参照。なぜか、大きな盾と剣を持つことができる。
モーゼス 城下町の発明家。伝説の3Dプリンターを開発。別室で炎の魔法が使える。
ドンガス 大男。見た目通り。岩も叩き割る。魔物より力が強いかは不明。
イレーヌ 長身細身の女性。イケメン勇者と飲み屋で知り合った。剣による打ち払いが上手い。
森田 背広に丸いグラサン、事ある毎に特製ストラップを渡そうとする、王国の一般男性。
経理担当官 声が特徴的な可愛い系。城の床石につまずいて「んがっ!?」って言う。
更新登録担当官 毛筆の美しさにこだわりがある美人。秘密のアダ名は「書き損じ姉さん」。
近衛団長 近衛団の団長。イケメン勇者一行の訓練を(渋々ながら)担当した。
伝説の3Dプリンター どんな物でも、例えば武器や防具も作れる、『魔法の箱』とでも言うべき存在で、人の背丈を超える程大きな、ミスリル製で箱状の機械。物のオリジナルと、材料の粉さえあれば複製物を作ることが可能。完成品の強度は使う粉次第。
ミスリル製ミキサー 我が国の秘宝。はがねの粉を作成するのに使用した。
3Dプリンター活用法!
さて、翌朝。王国には青空が広がり、暖かで、絶好の篭手作成日和。モーゼス老が使った別室も、しっかりと掃除済みでキレイ。魔物の群れも攻めてきている。
ええええええ!?
準備できてねぇよ! そっちから来んの? なにそれ!? かなりの数の勇者一行達が、隣の国とか海の向こうとかに冒険の旅に出ていて、今は不在なんですが?
北の山の向こうの強力な剣だとか、西の砂漠の盾だとか、南南東の特殊な生地だとか、手に入ったとしても、あと1ヶ月はかかるよ? 間に合わないじゃん!
しょうがない。国を守るために、戦わなくちゃ! 魔物と。今の戦力で。
という訳で、近衛団と、王国内でまだモタモタやっていたイケメン勇者一行と共に、魔物の襲撃地点である、城の西側へと急行することにした。
モーゼス老は、自身が開発した3Dプリンターを置いて行きたくないと愚図った。持って行ってもしょうがなくね?
なんか、「私が現世に甦らせた3Dプリンターで作った武器防具の使用権は……」とか言い出した。めんどいなあもう。わかりましたよ。持って行って、本陣の後ろにでも置いておけばいいよね? 伝説の権利関係なんぞ検討してる時間は、今はないんだって。すぐ行かないと、魔物による犠牲者が増えるでしょ?
鼻声の経理担当官と、書き損じの多い更新登録担当官は、当然ながら城に置いて行く。彼女達は、武官じゃなくて文官だから。あと、危険に巻き込みたくもないし。
※サンプルはここまでです。
作品情報&著者情報
にぽっくめいきんぐ
―― まず簡単に自己紹介をお願いします
3度目の登場、にぽっくめいきんぐです! お世話になります!
まずは謝罪から。
「Q:6月号には出ないって言ったじゃん!」
「A:ごめんなさい。来ちゃった……」
今年一番のアウトプット。それは、息子です。ニューモデルが遂に日本に登場!
顔丸い! 泣く! ミルクを大量に飲む! の3拍子です。
◆公式サイト『にぽっくめいきんぐ』
http://nipockmaking.com/
「作り履歴」タブで、拙作(公開されているもの)がリスト化されております。恥ずかしげもなく公開! 今後も増え続けます。PDCAサイクルぶん回し中。
BOOK SHORTS様主催『ブックショートアワード』2月期優秀作品に選ばれました! やったぜ!
作品名:『時皿』(古典落語『時そば』『猫の皿』)
また、小説投稿サイト・カクヨムで、超短編『マナー侍』を公開中。
キャッチフレーズは「斬られて覚える名刺マナー」。
現代ドラマ部門、最高12位(2016年4月19日)です。
ACジャパンさん、オファーをお待ちしております(笑)(いただいたご感想に基づくコメント)
◆ブログ『にぽブロ』
http://nipock.sblo.jp/
◆Twitter(@mamantick)
https://twitter.com/mamantick
―― この作品を制作したきっかけを教えてください
昨年度の次世代知財システム検討委員会を傍聴したら、3Dプリンターと知財との関係が論点に。意匠登録物品を3Dプリンターで個人的に作る行為は、意匠権侵害なの? だとか、四星球をご家庭で3Dプリントしたら、鳥山明(とりやま・あきら)先生の著作権を侵害するの? とか、疑問でモヤモヤしてました。そこに、電撃文庫の元編集長・三木一馬(みき・かずま)さんが講師の日本独立作家同盟のセミナーが。「今、ラノベが熱いのか!」と思い、ラノベに寄せてみました。後編で、ようやくバトル展開です。
―― この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
・知的財産戦略本部次世代知財システム検討委員会(内閣官房)
・私が中高生当時の『月刊ドラゴンマガジン』掲載の諸々の小説(今で言う「狭義のラノベ」)。吉岡平(よしおか・ひとし)先生の『ユミナ戦記』とか、冴木忍(さえき・ しのぶ)先生の『道士リジィオ』シリーズとか。
・黒桃将太郎(くろもも・しょうたろう)さんの『咀嚼夫人』(『月刊群雛』2016年04月号掲載)。オノマトペの効用を学びました! 早速、自分なりに活用してみたのが、今回の後編! 黒桃さん、ありがとうございます!
―― この作品のターゲットはどんな人ですか
3Dプリンターに興味がおありの方(笑)
その他、著作権、アニメ、漫画、ラノベ、ゲーム等に興味がある人向けです。
作中のくすぐりが噛み合いそうな方としては、ハリウッドザコシショウさんとか、伊集院光(いじゅういん・ひかる)さん(UP’Sリスナーでした)とか、バカリズムさんとかの笑いが好きな方。
―― この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
全くわからないです。主に電車の中など、隙間時間をかき集めてやっております。囲碁の対局時計とかがないと、どうにもこうにも(笑)
―― 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか
『月刊群雛』2016年03月号の時と同様、ブログ、ホームページ、Twitterなど。
その他としては、献本は、宣伝カテゴリーに入れてもいいですか?
Yesであるならば、前記の『月刊群雛』2016年03月号について、何人かの方に、紙本や電子で献本済です。
―― 作品を制作する上で困っていることは何ですか
「基礎がない」ことです。WEBの投稿サイトに短編を投稿しまくった結果、思ったのは、「私は、アイディアを上に載せるための土台がない」という点。
その旨をツイートしたその日に、日本独立作家同盟の鷹野凌(たかの・りょう)編集長から、とても良い本をご紹介いただきました。今、それを吸収しているところです(後述)。
―― 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
最近読んで良かったのは下記です。
・『電子出版、独立作家の執筆・出版手法-日本独立作家同盟 第一回セミナー〈藤井太洋 講演録〉』
前述の、鷹野編集長からご紹介いただいた本がこちら。書きっぷりから、理系の匂いを感じます。大学の数学科出身の私の感覚に、合わない訳がない。また、「写経」についてこの作品情報に書いた(後述)途端に、講演録に「筆写」の話が出てきてびっくりしました。なんというタイミングの同期っぷり! 渡りに船、一体何艘出てくれば気が済むんですか? (笑)これを幹の1つにして、行動の枝葉を伸ばしていく予定です。
・保坂美羽(ほさか・みう)『読み切り2000文字劇場』
小説投稿サイト・カクヨムの現代ドラマ部門で、2016年4月19日現在、第1位のこの作品。
作者の保坂さんは、小説コンテンストサイト「時空モノガタリ」で、毎度のように賞を受賞なさっておられる方。
すごくキレイに、ショート・ショートとしてまとまっているんですよね。しっかりした描写。そしてしっかりしたオチ。写経始めました。
―― 今後の活動予定や目標を教えてください
ここ数ヶ月、色々活動してみて感じたのはやはり、「結局、作品に実力がにじまないと、お話にならない」ということ。カクヨムのランキング上位に、例の3文字だけの小説がきちゃった事件とか、そんなのはとりあえずどうだっていい。私の作品をお読みくださった方に「お? 結構おもしれーじゃん」と思っていただけるかどうか。それが一番の肝。
ですので、ここらで、基礎トレをしたいと思います(写経など)。
―― 最後に、読者へ向けて一言お願いします
お読みくださりありがとうございます! 感想お待ちしております。「フィエロの続編読みたい」な感想がもしおありの場合は、是非お寄せください。また、だめ出し歓迎します。
にぽっくめいきんぐさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年06月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。