Twitterでリンクをクリックしてもらうには? ―― インディーズ作家のためのSNS活用術〈2〉

コラム
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[posted by 鷹野 凌

インディーズ作家(※1)に役立つショートコラム第2回は、「Twitterのタイムラインでリンクをクリックしてもらえる率の高い投稿」について。タイムラインでリンクをクリックすると、一時的にタイムラインを離れることになります。その場でできるリツイートやお気に入りに比べるとハードルが高いため、自ずとリンクのクリック頻度は低くなります。しかし、例えば自分の作品紹介など、フォロワーに読んでもらいたい記事がある場合、なるべく多くの人にリンクをクリックしてもらいたいですよね。

※1 私は、伝統的な出版手法である取次・書店流通を「メジャー」、それ以外の手段を「インディーズ」と定義しています

リンクの付いた投稿の、リンクのクリック率は約1.2%

前回紹介したTwitterアナリティクスでは、一定期間のインプレッション(※2)と、リンクのクリック数をチェックできます。直近3カ月間の私のデータでは、2426件の投稿に対し、インプレッション合計は154万7574件、リンクのクリック数合計は1万2669件、クリック率は約0.8%でした。

しかしこれは、リンクの付いていない投稿まで含めた全体の数字です。リンクの付いた投稿だけのデータを分析するには、Twitterアナリティクスからデータをエクスポートし、CSVを表計算ソフトで加工する必要があります。少々面倒です。

私の投稿データでは、リンクの付いた投稿は1299件、インプレッション合計は108万7697件、クリック率は約1.2%でした。単純に考えると、84人に投稿を見てもらえれば、1人くらいはリンクをクリックしてくれる計算です。

※2 ユーザーがTwitterで投稿を見た回数

FYIは非常に強い

では、クリック率が高いのは、どんな投稿なのでしょうか? 平均よりクリック率の高い投稿は429件。その投稿内容を確認すると、いくつか明確な傾向を見出すことができました。

まず、非常にクリック率が高いのは、@IDで始まる返信投稿のリンク、いわゆるFYI(For Your Information)です。返信投稿は、相手と自分の両方をフォローしている人のタイムラインにだけ表示されるため、投稿そのもののインプレッションは極端に低くなります。しかし、返信投稿は相手に通知が届くため読まれる可能性が高く、クリック率も高くなるわけです。

例えばブログに誰かの作品の感想を書いたら、普通に更新お知らせをツイートするのとは別に、直接その人に「○○さんの作品『××』の感想を書かせていただきましたので、よかったらご覧ください」とお知らせするといいでしょう。内容次第ではありますが、相手がリツイートしてくれたり、記事そのものを紹介する新規投稿をしてくれたりします。

オリジナリティの高い投稿は強い

多くの場合クリック率が高いのは、リンク先に書かれている内容の一部を引用し、そこに自分の意見を付けた投稿です。リンク先が自分の書いた記事ではないとしても、どこを引用するか、どんな意見を添えるかが、その投稿のオリジナリティとなります。どこを重要だと思うかは人によって違いますし、その記事に賛同するか反対するかも人によって異なるからです。

逆に、記事を読んでツイートボタンをクリックし、開いた投稿欄に何も足さずにそのまま[ツイート]ボタンをクリックしたような投稿は、クリック率が低くなります。投稿に記載されているのは元記事のタイトルやサイト名だけなので、そこにフォロワーの興味を惹く要素がなければクリックしてもらえないからです。

Twitterカードは目立つ

リンク先の概要やサムネイルが表示される投稿は、文字だけの投稿に比べ明らかに目立ちます。必然的に、クリック率が高くなります。これはTwitterカードといって、HTML文書のヘッダーにメタタグを埋め込み、Twitterに申請をすることで実現できます。少しテクニカルですが、自分のウェブサイトやブログのヘッダー要素がカスタマイズできるなら、是非トライしてみてください。

◆Twitterカードの説明ページ:
https://dev.twitter.com/ja/cards/overview/

同じ投稿の繰り返しはクリック率を下げる

初めて投稿する内容であれば、宣伝投稿でもクリック率はそれなりに高いです。ところが、同じ投稿を繰り返すほど、クリック率は下がっていきます。これは我が身を振り返って考えてみれば当然の話で、リンク先の記事を読んだことがあれば、再びクリックする価値は薄くなります。

また、同じ投稿が何度視界に入ったところで、興味が湧かなければ無視するだけです。同じ投稿ばかり繰り返され、その人そのものに興味を失えば、ミュートしたりフォローを外したりして、視界に入れないようにする人も現れるでしょう。

ただ、反復投稿はまったく無意味、とまでは言いません。1回だけの投稿では、見逃す人も多いからです。通勤電車の中やお昼休みといったスキマ時間にタイムラインをチェックする人は多いため、同じ内容でも時間帯を変えて投稿することによってクリックしてもらえる可能性は高くなります。また、切り口を変えて紹介することで、違う人に興味を持ってもらえるかもしれません。何ごとも工夫次第です。

あなたの投稿のクリック率は?

恐らく、フォロワーのロイヤリティ(愛情、愛着などの意味)が高い人は、クリック率も高いはずです。逆に「相互フォロー」「相互リツイート」といった、互助的で薄い繋がりが増えるほど、クリック率は低くなるでしょう。あなたの投稿のクリック率は、何%ですか?

次回のコラムは、ロイヤリティの高いフォロワーを増やす方法についてです。

〈続く〉

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